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2007/03/07

花村 萬月 「ゲルマニウムの夜」 王国紀シリーズ、面白いね~。

久々に、“まだ、読んだ事が無い作家の小説を読みたいな~”などと思いながら、本屋をぶらついたりする帰宅道。
なんとなく、名前を聞いた事しかなかった、花村 萬月が気になってね。

本の裏表紙(?)に書いてる、物凄く大まかなあらすじを読んで、「合うかもしれん」と思って買った、
ゲルマニウムの夜 王国紀Ⅰ」。
なかなか、ドンピシャでした。

人を殺し、育った修道院兼教護院に舞い戻った青年・朧(ろう)。
なおも修道女を犯し、暴力の衝動に身を任せ、冒涜の限りを尽くす。
それこそ現代では「神」に最も近く在る道なのか。
世紀末の虚無の中、<神の子>は暴走する。
目指すは、僕の王国!
弟119回芥川賞を受賞した戦慄の問題作。


でも、読んでみると、そんなに悲惨な感じも、暴力的な感じもしなかったな。
作中では、そんなに、過剰に暴力ふるってる訳じゃ無いしね。
きっと、根底に、エンターテイメントとして書かれてる。ってのが有るから、なんだろうね。

作者自身、11歳の時に、カトリックの修道会がやってる福祉施設に入れられた経験があって、そこでの体験(見聞きした事も)からくる、キリスト教(神という存在、もしくはシステム)への疑問みたいなのも物語に織り込まれてるらしい。

キリスト教や神について、物語の中で言及してく中で、やっぱり「父権」が裏(?)テーマになってる。んだと思う、きっと。
ま、王国紀ってぐらいだから、そこを期待して買ったんでね。

主人公が王たらんとする時、自分が「父性」を体現しなきゃならないだろうし、それが形になればなるほど、自分自身がかつて“壊そうとしたもの”になろうとしてる矛盾に気付いたり(ここは、この先、そうなりえるかもって想像)ね。

今は丁度、「ゲルマニウムの夜」と一緒に買った、「ブエナ・ビスタ 王国紀Ⅱ」を読んでる。
こっちも、面白い。失速して無いな。
このシリーズは、まだ続いてるんで、今後も楽しめるわ。


で、話を「父権」に戻すと、例えば重松 清なんかだと、「流星ワゴン」は、“重さ”をそんなに感じなかったけどさ。
他の作品を、ちらっと読んでみるとね、“現代の父権(もしくは家族)”を体現させようとするあまり、崩壊した家庭の見本市みたいになっててさ、現実を突きつけられる意味以上に、過剰な「重苦しさ」が残るのね。俺にとっては。(流星ワゴンは、好きだけどね)

で、同じ「父権」がテーマでも、全然違う切り口なのが、というか創造力(想像力の方じゃ無く)が豊かな(だと俺が感じる)のは、村上 龍の例えば、「愛と幻想のファシズム」とかね「コインロッカーベイビーズ」もそうかな!?
花村 萬月の王国紀シリーズは、どっちかって言うと、こっちに近い感じがする。
ただ、作者の「問題提議」の出発点が「宗教」であって、それを「一人の青年」に意図的に託してるっていう物語の性質上、物語の舞台・規模・登場人物etc...が、「愛と幻想のファシズム」とかと比べると、狭い地域的な感じね。
だからと言って、物語がちゃちだってんじゃー無いよ。
むしろ、だからこそ、解り易い部分も、多々あると思う。

文章・物語全体も、読み易いしね。
スッと、リズムが流れてるように、ページが進んで行ったなー。
難しい事は置いといてもさ、ちょっと刺激的なのを読みたい人には、良いかもしれまへん。

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